ぱちり。
「おはよーとーたん」
おはよう、KJ。朝が来たね。


「あ、みてみてー」
ん?
KJの指さす先には、舞い上がったチリ。
「キラキラいっぱい」
ホントだ、キラキラしてるね。

「きれい……」


「つーかまえたっ」

「とーたん、はい、キラキラ」
お、ありがとう。

「かあかあにもちょうだいしてくる」
そう言うと、彼は小さな手を握りしめたまま、ベッドを降り、ドアを開け、二階の妻の元へ。

「かあかあ、ほたるあげる。はい」
「わー、ありがとう。蛍がいたの?」

そっか、君には蛍に見えたんだ……。
埃だなんて、現実的なこと言わなくてよかった。

この前、蛍を見たばかりだもんね。
ちゃんと、心に刻まれていたんだな。

朝から素敵な時間を過ごさせてくれて、ありがとう。
自由な君の目で見たら、この世には綺麗なものがたくさんあるね。
ぼくもそんな君の影響か、自由な目を取り戻しつつある気がするよ。

なんだか良い目覚めだな。
さてと、ぼくもそろそろ起きるかな。コーヒーでも飲もう。


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