誰もいない、秘密の場所。

蛍が何百匹も乱舞する、とある森が、鹿児島の某所には存在します。
東京のマンションに育ったぼくは、虫が苦手だということもあり、子供の頃に蛍をちゃんと見たことがなく。

だから生まれて初めて蛍を鑑賞したのは、結婚してすぐの頃。やはりこの森でした。

ふわふわとした光の群れの真ん中に、妻と手をつないでたたずんでいた、初々しい記憶。

そんな想い出の場所に、去年から息子KJも同席することになりました。
詳しくは書けないけれど、ここは彼の出生にとってもルーツと言える場所。
どうしても連れてきたかったのです。
去年はまだ一歳半だったこともあり、あんまりはっきりとしたリアクションはなかったけれど、今年はとても興味深そうに、緑色の光を目で追いました。

車に戻り、チャイルドシートに座ったKJ。

すると、おっとりした一匹の蛍が彼の手のひらに、ふわり。
ほんの1分にも満たない間だったけど、小さな命をつぶさないよう見守るKJに、なんだかこちらまで優しい気持ちにさせられました。

翌日は早朝から鹿児島の名所・仙巌園へ。

……どうしたの? ゆうべの蛍のこと、思い出してるの?
星空も綺麗だったけど、どこまでが星で、どこからが蛍だったか、わかったかな?
君がたくさん蛍を見られたこと、とーたんも、良かったと思ってるよ。

東京じゃ見ないもんね。
地下鉄だとか、オフィス街だとか、首都高だとか。あれも現実だけど、夕べ見たとても頼りなくて綺麗な光の瞬きも、紛れもなく現実なんだ。

この世の現実って、いろーんなものがある。人の作ったものだけが全てじゃないってこと。現実には本来幅があるんだってことを、これからの時代を生きていく君には、覚えておいて欲しいなぁ。


それとね。

こないだのお子様ランチプレートもそうだけど、子供の頃にやりたかったこと・行っとけば/やっとけばよかったなぁと思っていることを、君にはできるだけ提供したいなぁ。

親の自己満足にならないよう、君の細かな心の揺らめきを見逃さないようにしながら。

君を見ていると、子供の頃の自分の気持ちをよく思い出す。

君を通じて、自分のインナーチャイルドと向き合っているのかもしれないね。
KJはおじいちゃん、おばあちゃんとたっぷり遊び、我々は割ってしまった黒薩摩・龍門司焼のカップを新調し、温泉にたっぷり浸かって、鹿児島を去ったのでありました。

黒薩摩・龍門司焼マグカップ

本題と逸れるけど、鹿児島って本当に見所が多い場所ですね。
何度行っても飽きません。



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