雪平鍋を修理する
「あーっ!」
ある日の夜、我が家に妻の悲鳴がこだましました。
妻が10代で上京したときに買って以来、20年間、彼女の胃袋のために働き続けた相棒。
振り返れば、ぼくの胃袋もその年月の半分近くは、お世話になったんだよなぁ。
結婚する前から、というか、交際する前から。
処分して買い換えるのは簡単だけど、君にはいままで美味しい料理を食べさせてもらった借りがある。
そして何より、妻の大切な相棒だから、なんとしても直したい。




強度もばっちり。妻も大喜びです。
いつもと変わらない姿で出汁昆布をグツグツする雪平鍋を見てたら、なんかぼくも愛着湧いてきちゃったな。
そうだ、名前をつけよう。
今日から君はナベノユキヒラな。
妻「勝手に武将みたいな名前つけないでよ(笑)」
それはともかく、これからも末永くよろしくね。
ナベノユキヒラくん。
(夫)